入学式の服装: 2009年2月アーカイブ



入学式での和装チャレンジ後半です。
前半は着物の素材や柄についてお話したので次は着物の命と言われる帯や着こなしについてお話します。帯とは腰の周りに巻いている"ベルト"にあたるものですが、一番上から巻いているため常に露出していますし、最も人目にさらされます。そのため、和装の最重要ポイントなのです。

帯については着る人がどんな人なのかによって選ぶのが基本です。
独身女性と既婚女性とでは選ぶ帯が変わってきますし、年齢的にも20歳の成人式で付けていくような帯と30歳前後になって子供の入学式に付けていく帯、というのでは全く異なります。
これらのチョイスを誤るとせっかくの着物が台無しになってしまいますので、帯選びはしっかりと押さえておきたいものです。

基本的には着物よりも帯を一段階格上のものにしておきます。
また、着物の柄と帯の柄はあえて違うものに合わせます。これは当然、着物の柄と帯の柄が似ていて分かりづらくなることを防ぐためです。柄については例えば着物の柄がカラフルなものであれば、帯は逆に単彩といってあえて違うものを、他に着物が大柄であれば帯が小柄に...といった具合です。

いわゆるフォーマルの形として、以前は色無地+黒い羽織という組み合わせが入学式の定番とされてきました。洋装でスーツ+真珠のネックレスというものによく似ています。
洋装でもこれにとらわれない着こなしが多く見られるようになったのと同じで、和装でも現在では羽織の色を黒とは限らず、華やかな紋付羽織などで着こなすという組み合わせも見られるようになりました。

最後に、これは言うまでもないことですが、入学式の主役はもちろんその学校に入学する当の新入学生です。
洋装や和装など、母親が色々な服装で着飾るのは大いに結構なことですが、母親のファッションショーのために入学式を行うわけではないので、あくまでも主役よりも目だってしまわないように配慮することが大切です。そのための工夫として、着物や帯が華やかなものになった場合はバッグや草履などの小物を控えめなものにするという工夫もあってしかるべきだと思います。

和装は洋装に比べて着ている人の数が少ないことから目立ちます。
年配の方の中には和装についてのこだわりを持っている方が多く、色々な目線にさらされることになりますが注目を浴びるということ自体は決して悪いものではありません。
非日常である入学式を演出する和装の世界に関心を持っていただければ幸いです。

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